「作文」と言われただけでゆううつな気分になったり、原稿用紙を前にしたらため息ばかりが出て来て一行も進まなかったり。
「ああ、誰か作文を書いてくれないかな」「作文が簡単に書ける方法、ないかな」なんて思ったりしている人は少なくないのではないでしょうか。
国語が得意な人でも、「やった!作文だ!」と喜ぶ人はそんなに多くないかもしれないですね。
では、まずは、なぜそんなに作文が嫌だと思うのか、作文が苦手な理由を考えてみましょう。
- 文章を書くのが嫌い
- ちゃんとした文章なんて書けない
- そんなに長く書けない
そもそも書くことが苦手な人は、上の三つのような理由で作文を嫌がっているのではないかな、と思います。
一方、文章を書くのが得意なんだけど作文は嫌い、という人も含めて、多くの人が「作文を書きましょう」と言われたときに気分が重くなってしまう大きな理由は、
- 何を書いていいのかわからない!
なのではないでしょうか。そうなんです、そこが作文の最大のネックなんですよね。
つまり、「作文嫌だなあ」「書けないよ」と思ってしまう原因は
- 何を書いていいのかわからない
- 文章が書けない
の二つ。なのでまずは、何を書いていいのかわからない!という問題を解決しましょう。その後に、なんとか文章を書いてみる。そして、もっとイケそうな人はレベルアップを測ってみる、という3段階で説明していきたいと思います。
パート1:作文って、一体何を書けばいいの?
「何を書けばいいの?」の前に、「作文は大変だ!」「ちゃんと書かなくちゃいけない!」という、思い込みや固定観念を崩すところから始めていきたいと思います。
いい作文は、文章がしっかりしていて、整っていて、素晴らしい内容、褒められる内容が書いてあればいいと思っていませんか?
そんなことはありません。
それよりも、その人らしさが現れている作文が一番魅力的なんです! 言葉の使い方がおかしくっても、書いた人の気持ち、思いが伝わってくる文章が一番です。
だって、みんなが整った文章で褒められるような内容を書いていたら、なんだかちょっと気持ち悪いし、みんな同じ人が書いたように思えてきませんか?
例えば、
- 自然破壊はしてはいけない。自分たちの自然を守ろう
- ゴミを減らしてリサイクルしよう
- いじめはいけない。誰にでも人権はある
- 勉強するのは将来にやりたいことをしたいため。だから頑張って勉強しよう
などという意見。いわゆる優等生の意見と言ってもいいかもしれませんね。一般的に「素晴らしいとか」「こうあるべき」と言われていることが書いてある作文です。
もちろん、それが自分の本当の気持ちだったら素晴らしいけれど、本当はそう思ってないのに「そう書かなくちゃ」と思って書いたり、「なんか違うんじゃないかなあ」とどこか引っかかっているのに、「こう書いたら先生に褒められるから」と、その気持ちにフタをして書いているのならどうでしょう。自分自身、嘘を書いているような後味の悪さを感じる人もいるかもしれないし、そもそも、本当じゃないなっていう作文は、読んでいる人にもわかってしまうんです。本当に思っていることじゃないから、何となくいいことを言っているように見えて、薄っぺらい。人にどう見られるか人目を意識して書いた“いい子ぶりっ子”の作文だなあと伝わってしまうんです。あまり好感も持てません。
それよりも、文章が下手だったり、人と全然違うことを書いていても、素直に自分の気持ちを表現できている文章の方が、とっても魅力的なのです。
ここまでをまとめると、作文を書くときには、
- どうやって書いたら先生に褒められるかな、とか、こんなことを書いたら喜んでもらえるかな、と周りの目を気にしない!
- 自分の本音を、自分の言葉で書こう!
- 人と違う作文になることを怖がらず、堂々と書こう!
これが大切! とにかく、自由な感性、自由な発想で書けばいいのです。
そして、もう一つ知って欲しいのが
「こんなことは書いちゃダメ」という決まりはない!
ということ。
もちろん、ふざけて書いたり、デタラメを書いたり、どうでもいいやと思って書くのは良くないけれど、自分が本当に思ったり感じたことを真剣な気持ちで書いたものは、どれも素晴らしい作文なんです。
それでもしも先生に怒られてしまったら、しっかりと主張して大丈夫。「僕は本当にこう思っているから書いたんです。これが僕の本当の気持ちなんです!」と。
つまり、「作文って、一体何を書けばいいの?」という質問の答えは、
「何を書いてもいい!自由!」
です。
とはいえ、それじゃあ困ってしまいますよね。「答えになってないじゃん!!」という声が聞こえてきそうなので、次のパートで、具体的に書きながら、何を書いていけばいいのかを見ていきましょう。
パート2:<基礎編>さあ、ちょっと書いてみよう!
◎作文のテーマが決まっていない場合
まず、作文のテーマが完全に自由だった時は、一体何を書けばいいのでしょうか。実はテーマが決まっていない作文が一番難しかったりするんですよね。でも、実際にはどんなことでもテーマになっちゃうんです。
例えば、「靴下に穴が空いた」。
こん日々の小さな出来事でも、立派なテーマになるんです。
その靴下がどんな靴下だったのか、何をしたら穴が空いたのか、その時にどう思ったか、家族は何と言ったか、などを書いていけば、あっという間に原稿用紙のマス目が埋まっていくはずです。
こんな素朴な疑問も、作文のテーマになり得ます。
「このタラコの中には、何粒の卵が入っているんだろう」
毎日の生活の中で、ふと疑問に思うことってありますよね。それをそのままテーマにしちゃえばいいのです。でも、自由研究や実験ではないので、実際に調べなくても大丈夫。「タラコって、タラの子供だよね。このひとつまみのタラコが孵化したら、タラの赤ちゃんだらけになっちゃう。ウジャウジャいるのを想像するとちょっと気持ち悪い!」と、その様子を想像してみてもいいし、卵のまま人間に食べられてしまうタラコの悲しいお話を想像してみるのもアリです。
テレビでオリンピックを見ながら「どうして日本人は100メートル走で世界一になれないのかなあ」と思ったら、自分なりの理由を考えてみるのもいいですよね。そして「こうしたら、早くなるんじゃない?」というアイデアを出してみたりすると、面白いかもしれません。
どうでしょう。何かしら書けそうな気がしてきませんか?
それでもやっぱり、「作文なんか嫌いだ」「書くことがない」「何を書いていいかわかんない!」と思ったまま時間だけが過ぎ、全く鉛筆が動かないのなら、思い切って「作文なんか大嫌い」「何を書いたらいいのかわからない」と、一行目に書いてしまいましょう。
一行でも書けたら、しめたものです。次の文章は最初よりも簡単に浮かんでくるからです。
最初に書いた文章が「作文なんか大嫌い」だったのなら、「だって、何を書いていいのかわからないんだもん」という言葉を続けたくなるかもしれないし、「この世の中から作文がなくなればいいのに」と、書きたくなるかもしれません。こんな風に、最初の一文を書いてみると、次に書くことが自然に見えてきたり、浮かんできたりするものなのです。
作文用紙を前に、「つまんないなあ」と思っているのだったら「いま、作文の時間だけれど、僕はとてもつまらない」と書き始めても良いし、雨が降っているのなら、「いま、雨が降っています。みんなはどんどん作文を書いていくけれど、私は全然進まなくって、外の雨をボーッと眺めています」と書いてもいい。
一文目を書いたら、
「だって」(理由を書く)
「なぜなら」(理由を書く)
「たとえば」(例をあげてみる)
「でも」(一文目と違うことを書く)
「この間、この前」 (実際に体験したり聞いたりしたことを続けて書く)
「もしも」(想像したことを続けて書く)
「だから」(結論、まとめを書く)
という言葉を入れると、次の文章へのつながりがスムーズになるので覚えておくといいでしょう。
何度も言いますが、何も特別なことなんて書かなくていい。思ったことをそのまま書く、それが作文の第一歩なのです。
◎作文のテーマが決まっている場合
テーマが決まっっている場合は、「どうやって書き始めようか」と頭の中でグルグルと考え始める前に、そのテーマについて思いついたものを、なんでもいいから書き出すことから始めることをお勧めします。
例えば、テーマが「勉強以外で学校で学んだこと」だったら。
勉強以外? んー、給食かな? と思ったら原稿用紙の裏にでも「給食」と書いてみましょう。
そしたら、その言葉から浮かんでくるものをさらに書きます。
給食、給食・・ 1年生のころ、ピーマンが食べられなかったなと思い出したら「ピーマン」と書く。緑色だなあ、と思ったら「緑色」とメモ。続いて「緑色といえば、教室でみんなで青虫を育てたな」と浮かんだら、「青虫」。「蝶になった時、嬉しかったなあ」と思い出したら、「蝶」。飛んでいく蝶をみんなで見送ったな、と思ったら「みんなで見送った」
こんな風に、頭に浮かんだ言葉を連想ゲームみたいにどんどん書いていけばいいのです。
「給食」
「ピーマン」
「緑色」
「青虫」
「蝶」
「みんなで見送った」
そうしたら、これをどういう順番で書こうかなあ、と番号を振ってみます。
「給食」
「ピーマン」
「緑色」
2「青虫」
1「蝶」
3「みんなで見送った」
この1、2、3を、番号通りにつなげてみるとこんな作文になります。
「学校の生活の中ですごく印象に残っているのは、みんなで育てた蝶が空に飛んでいった時のことです。小さな青虫の時からみんなで大事に育てました。葉っぱを食べるたびにグングン大きくなっていくのを見るのが毎日とても嬉しかったです。サナギになって、そしてついに蝶になった時、みんなで校庭に出て蝶を空に飛ばしました。大空を飛んでいく姿をみんなで見送りながら、僕は『長生きしてね』と心の中で言いました。今でも蝶を見ると「あの時の蝶はどうなったかな」と思い出します。僕は青虫から蝶を育てたことで、命の大切さや、生き物が成長する喜びを知りました」
どうでしょうか。何を書いたらいいかと悩んでモヤモヤと考えているよりも、連想ゲームのように思いついたことをメモしていくと、「これとこれをつなげたら、書けるかも」というのが見えてくるようになるんです。原稿用紙を前にして手が止まってしまったときは、ぜひこのやり方を試してみてください。
そして、絶対にやって欲しいのは、頭の中で思い浮かべるだけではなくて、実際に書き出すこと。書かないと、最初に思いついたことを忘れてしまうし、書いてみることで頭の中が整理できるんです。だまされたと思って、手を動かして、文字を書いてみましょう!
パート3:<応用編>もう少しレベルアップしてみよう!
ここまでで、ある程度作文用紙のマス目を埋めることはできるのではないかなと思います。このままでもオッケーですが、もう少し余力がある人は作文をレベルアップさせてみましょう。
◎一行目の書き出し
パート2でも触れましたが、1行目が書けなくてつまずいてしまうことはよくあります。でも、あんまり難しく考えなくて大丈夫! 思い切って、その作文で一番言いたいことを最初に書いてしまいましょう。
例えば作文のテーマが運動会で、自分では綱引きで負けたことがものすごく悔しかったとしましょう。この時に
「◯月◯日に運動会がありました。僕は◯と◯の競技に出ました。」などと説明しようとすると気が重くなってくるので、思っている通りに
「今回の運動会はとても悔しかった」と始めてしまうんです。
すると、その後にはその理由を書いていけばいいわけなので、「なぜなら」とか「どうしてかというと」というふうに、次の文章も続けやすくなります。文章にも勢いが出るので、読む方も「え? なになに? 何が悔しかったの?」と続きが読みたくなるんです。
そしてもう一つ、一文目は短くていいんです。いや、できるだけ短く書きましょう。短いと、とても印象に残ります。
これは作文ではなくて小説ですが、例えば、太宰治の「走れメロス」の一文目は「メロスは激怒した」という、短くて印象的な言葉で始まっていますし、夏目漱石の「吾輩は猫である」は、「吾輩は猫である」で始まっています。
とっても短いですよね。一行目から長い文章を書こうと思わず、安心して、短い文章で始めましょう。
さらに、もっと書き出しにこだわりたい人は次のような様々な方法があります。
<セリフから入る>
例:「なんでだよ! 今日のために一生懸命練習してきたのに」
試合が終わった後、僕は涙が止まらなくなった。
例:「今日は必ず5時までに帰ってきなさいよ!」
出かけるとき、お母さんがそう言っているのが聞こえた。
<音から入る>
例:ガシャーン! ガシャガシャガッシャーン!
キッチンの方から、何かが落ちたような大きな音が聞こえてきた。
例:キーーーーーン
今日もまた、いつものように飛行機が飛ぶ音が聞こえる。
<場面から入る>
例:頂上まで行くと、下の方にある家がものすごく小さく見えた。
例:公園の隅っこにある段ボールが、モゾモゾと動いていた。
<「もしも」から始める>
例:もしも、僕がバトンを落とさなかったら、1位になれていたかもしれない。
例:もしも、どこでもドアがあれば、今すぐにおばあちゃんの入院している病院に行けるのに。
どうでしょう、思ったより、いろいろな書き出しがありますよね。どんな書き出してもオッケーなので、ぜひ、いろいろ試してみてください。一行目が「なかなかいいじゃん!」という書き出しで始められると、きっとその後の文章も気持ちよく書き進められるはずです。
◎接続詞をうまく使う
文章が続かなくなってしまったときは、「接続詞」を使ってみましょう。「接続詞」というと、その言葉自体で拒否感を感じてしまうかもしれないけれど、そんなに難しくないのでご安心を。早速具体例を見てみましょう。
- 「しかし」「でも」「逆に」(それまでに書いてきたことと逆のことや、反対の意見を書くときに使う)
- 「本当のことを言うと」(それまでに書いてきたこともウソじゃないけど、自分の本心が実は別なところにある場合などに使う)
- 「きっと」「たぶん」(それまでに書いてきたことが、なんでそうなのか、はっきりした理由はわからなくても、これらの接続詞を使うと、想像したことも書けるように!)
- 「とはいうものの」「あるいは」(それまでに書いてきた意見とまた別の意見を書くときや、別の見方を書くときなどに使う)
文章が行き詰まったら、ぜひこれらの言葉を使ってみましょう。そうすると次の文章が不思議と湧いてくるので、ためらわずに使ってみて。 うまく続かなければ、消しゴムで消して、別の接続詞を入れてみるのもアリ◎ 何度も試しているうちに、使い方がわかってくるはずです。
◎5W1H1Rを意識して書く
5W1H1Rは、
When いつ
Where どこで
Who だれが
What 何を
Why どういう理由で
How どういうふうに
Result どうしたか、どうなったか
のこと。
1つの文章にすべてを入れ込もうとすると、とても窮屈な文章になってしまうけれど、書きたい出来事ごとに、そして書きたい場面ごとに、この7つの要素が入っているかを確認するといいと思います。
確認したことで、入れた方がわかりやすくなるのに入れ忘れていた要素に気づくこともありますし、字数をもう少し増やしたいなと思う時には「ああ、この要素をまだ書いてないから付け加えてみよう」と、ヒントになることもあります。
逆に、全部を入れなければいけない、というわけではないので、安心してくださいね。
◎違う言葉で説明してみる
作文には、自分がどう思ったのかという「気持ち」や「感情」を入れることがとても大切になってきます。でも、どうしても「楽しかった」とか「悲しかった」とか「悔しかった」と、いつも同じような言葉を使っているのではないでしょうか。
その言葉を少し変えてみる、違う言い方をしてみるだけで、作文がずいぶん生き生きとしてくるし、その人らしさも出てきます。
例えば、「すごく寂しかった」と書いていたものを「地球にたった一人だけ取り残されたみたいな気持ちになった」と書き替えてみると印象がだいぶ違うし、字数も増やすことができるんです。
「嬉しかった」を「誕生日とクリスマスとお正月が全部一緒に来たくらい、ものすごく嬉しかった」と自分らしい表現で説明してみるのもいいですね。
そういう表現がなかなか思い浮かなばいなあという人もいるかもしれませんが、本をよく読む人や、新聞を読んでいる人は、意外とスッと思い浮かぶと思います。表現を豊かにしたいと思う人は、これまでよりも、本や新聞を読む回数を増やしてみるといいでしょう。
◎字数をかせぐ
「原稿用紙5枚分書くように」と先生に言われると、「5枚」という数字に圧倒されて「絶対無理」とか「そんなに書けない」と思ってしまうのではないでしょうか。でも、字数って、案外簡単に増やせるんです。
どうすればいいかというと、体験したこと、見たこと、聞いたことをできるだけ詳しく書くこと。つまり、場面をふくらませることがポイントです。
例えば、家族旅行についての作文を書く場合、旅行に行っていない人でも、具体的な情景を思い浮かべられるように詳しく情景を書いてみましょう。
家族でハワイ旅行に行った時のことを書く時に、事実だけを淡々と書くと
「家族でハワイに行きました。ハワイは暑かったです。そして海がとても綺麗でした。ハンバーガーがとても美味しかったです」
で終わってしまいます。
そこで、まずは「ハワイは暑かったです」という、たった10文字の文章を膨らませてみましょう。
「ハワイの空港についたら、半そでのTシャツを来ている人がたくさんいました。日本は冬だったので、僕は長そでのトレーナーを着ていましたが、空港の外に出たらとても暑かったので、トレーナーはすぐに脱いでしまいました。日差しもすごく強かったので、まぶしくて思わず目をつぶってしまいました」
どうでしょう。詳しくその時の様子を書くだけで、10文字がこんなに長い文章になりました。それに、読んでいる人もその場所にいるような感覚になれますよね。これが、臨場感のある文章、作文です。
もう一つのポイントは、作文の中に会話を入れてしまうことです。先ほどのハワイ旅行の文章に続けて、会話を入れて見ましょう。
・・・・、まぶしくて思わず目をつぶってしまいました。すると、お母さんが言いました。
母「どうしたの? 急に下を向いて」
僕「目が・・」
母「ゴミでも入った?」
僕「太陽が眩しいんだよ」
母「サングラス、買ったほうがいいかもね」
僕「うん。早く買って!」
母「ちょっと眩しいけど、ハワイに来たー!って感じがするね!」
お母さんが楽しそうに言うので、僕はまだ目が少し痛かったけれど、つられて楽しい気分になって来ました。
会話で文章をつなぐ時には、必ず改行するというルールがあります。なので、会話を入れれば一気に行数がかせげるし、作文もとても生き生きしてきます。
字数が埋まらなくて困ったら、「会話を入れる」。覚えておきましょう。
◎タイトルの決め方
タイトルは、作文の“顔”みたいなものです。人の印象が顔で大きく変わってくる、作文の印象もタイトルで大きく変わって来ます。Youtubeで何を見ようか選んでいる時も、タイトルを見て「これ面白そう!」と決めたりするってこと、ありますよね。それと同じです。せっかくなので、「なんか面白そう!」と思えるタイトルをつけてみましょう。
例えば、運動会をテーマにした作文だった場合、
「運動会について」
「かけっこで1位になったこと」
というタイトルよりも、
「運動会で僕が1位になれた理由」
「3位から1位への大逆転」
とした方が、面白そうじゃないですか・
普通とはちょっと違うタイトル、これを考えてみるといいと思います。
そして、タイトルは最初に書かなくって大丈夫。作文を全部書いてしまった後、最後に考えるのをお勧めします。作文を書き終えて自分で中身を見てから、じっくり練ってみる。どうしても思い浮かばなければ、普通のタイトルにしちゃえばいいだけの話なので、あまり難しく考えずに、楽しみながら考えて見ましょう。
◎最後に読み直して推敲する〜基本的な文法
作文を一気に書き上げると、「終わったーー!!」とホッとして、そのまま提出したくなります。でもちょっと待って。提出する前に、最低1回は読み直すクセをつけられるといいと思います。
テストでも、一気に解いて、見直しをしないで出すと、答案が帰ってきた時に、悔しい思いをする時がありませんか? 回答する欄が一つずつズレていたりとか、ちょっとした計算ミスがあったりとか、1問解き忘れていたりとか。そんなの、悔しいですよね。満点だったはずが、98点に減点されてしまったり、80点はとれていたはずなのに、77点になっちゃったとか・・・
作文も同じです。せっかくいい内容の作文がかけても、字が間違っていたり、主語と述語が合っていなかったり、文章がダラダラと長すぎたりしたら、ちょっと残念ですよね。そんな荒削りの原稿を、少しずつ整えて行くのが「推敲」という作業です。
作文を書き終えた後には必ず1度、読み直すようにしましょう。読んでみて、「あれ?おかしいかも」「間違っているかも」という修正点や「こうしたら、もっとわかりやすくなるかも」という改善点に気づいたら、そこを直してから出すんです。
「せっかく書き終えたのに、面倒くさい・・・」「早く終わらせてしまいたい」という気持ちは良くわかりますが、ここで最後にもう一踏ん張りしましょう。
では、読み直し時に何に気をつければいいの、チェックポイントです。
・「て・に・を・は」(助詞)の使い方は合っているか
「て・に・を・は」(助詞)は、言葉と言葉の関係を決める大事な一文字です。
例えば、「庭に花を植える」の「に」と「を」が入れ替わり、「庭を花に植える」になったら、おかしなことになってしまいますよね。
ここまで極端な間違いではなくても、読んでいると「うん? なんかおかしい? わかりにくい?」と引っかかる部分があったら、助詞をよく見てみましょう。声に出して読んでみると、気づきやすいですよ!
また、間違ってはいなくても紛らわしい使い方もあるので気をつけましょう。
例えば「ユウナが好きになったコウヘイ」という文章。
ユウナがコウヘイを好きになったのか、コウヘイがユウナを好きになったのか、どっちだと思いますか? どちらとも取れるので、誤解されやすい文章です。
もし、コウヘイがユウナを好きになったのなら「が」を「を」に替えて、「ユウナを好きになったコウヘイ」にした方がわかりやすいし、ユウナがコウヘイを好きになったのなら、「コウヘイを好きになったユウナ」とすれば、誤解されなくなります。
・文体の統一
作文は「〜です」「〜ます」調で書いても、「〜だ」「〜である」で書いても、どちらでも大丈夫です。学校や先生から文体の指定があればそれに従えばいいですし、自由に書いていいのであれば、自分らしい文体、書きたい文体を選びましょう。
ただ、大切なのは、作文の中に「〜です」「〜ます」の文章と、「〜だ」「〜である」の文章が混じって入らないようにすること。勢いよく書いたり、逆に、時間をかけながらダラダラ書いた時などは特に、文体がバラバラになってしまいやすいものです。読み直した時に、文体が統一されているかもチェックするようにしましょう。
・句読点、段落
句読点は、文の区切りを示す句点「、」と、文章の最後につける読点「。」のこと。読点「。」は文章の最後につけるので間違いにくいけれど、少し気をつけたいのが句点「、」を打つ場所です。
句点は文を区切りたいときに打つので、打ち過ぎでも文章がブツ切りになってしまうし、少なすぎると文章が長くなりすぎて分かりにくくなり、読むのにも疲れてしまいます。
でも、どこで区切ればいいのかわからない!というときは、声に出して読んでみましょう。息が続かなくなってきて「この辺でひと息つきたい」というところで打つとちょうどいいと思います。
・字の間違い、丁寧か
ひらがなの書き間違いはそれほどないかもしれないけれど、漢字が正しくかけているかは、少し気をつけて丁寧に見直すようにしましょう。送り仮名が正しいかも気をつけるべきポイントです。
また、「暑い」と「熱い」とか「治す」と「直す」、「会う」と「合う」など、同じ読み方で使い分けも間違いやすい漢字は、見直しの時にチェックしましょう。
そして、作文は必ず誰かが読みます。冒頭に「人目を気にして作文を書くのはやめましょう」と言いましたが、それはあくまでも作文の中身のこと。教科書のような美しい文字を書きましょうなんて無理なことは言わないので、丁寧な文字、初めてその作文を読む人が読みやすい文字を書くように心がけましょう。
・いつ見直しをするか
最後に、見直しをするタイミングです。もし、宿題の提出日までに余裕があるなら、少し時間をおいてから読み直すことをオススメします。時間が開くと頭が冷静になるので、客観的に作文を読むことができるんです。書き終えた直後に読み直すよりも、間違いや「おかしいな」という点に気づきやすいので、時間に余裕があるならば、少し時間を開けて読み直すようにしましょう。
さあ、いかがでしたでしょうか。
今までよりも、作文に対するハードルが下がって、「なんか書けそうな気がする」と思ってもらえたのなら何よりです。書き始めてみると、案外作文って、楽しいものですよ!
最後にもう一度。
自分らしい作文が一番! 人にどう思われるなんか気にしない!
どうぞ自由にのびのびと、作文を書いていってくださいね。